東京五輪は新型コロナウイルスの世界的流行による史上初の1年の延期を経て、23日に開幕する。2013年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で、東京での開催が決まってから約8年。国立競技場の建設計画変更や、大会エンブレムの白紙撤回など、さまざまな問題をはらみながらも大会組織委員会は着々と準備を重ね、国民の高い関心を集めてきた。
しかし20年に入り状況は一変した。新型コロナが国内でもまん延し、3月に延期が決定。その後も状況は改善せず、コロナ禍での開催に批判的な声は高まったままだ。組織委の森喜朗前会長の女性蔑視発言など、不祥事も足を引っ張った。
組織委は「安全、安心な大会」の実現へ試行錯誤を繰り返してきた。大半の競技会場を無観客とするなど、異例の状況で、日本で57年ぶりの夏の五輪が始まる。